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ブラジル・アマゾンのど真ん中で27日、同国で開催中のサッカー・ワールドカップにも負けない熱い戦いが始まった。100年以上ライバル関係にある2チームが自然や先住民文化を歌や踊りで表現し、出来を競う「ボイ・ブンバ」。「世界最大の野外オペラ」とも言われる壮大な祭りだ。

 アマゾン川中流、人口約10万人のパリンチンスは、赤と青に染まっていた。「ガランチード」と「カプリチョーゾ」両チームのシンボルカラーだ。ともに1913年発足。住民を二分する激しいライバル関係に配慮して、この街ではコカ・コーラも通常の赤に加えて青い看板を掲げる。

 午後8時。カプリチョーゾの演技が始まった。巨大な蛇が地上約20メートルで鎌首をもたげ、その下で、羽根飾りの衣装の男女が跳ねるような独特の踊りを繰り広げる。「神話の村」をテーマに先住民の戦闘や、空想上の怪物を表現した。山車の大きさも、物語性に富んだ踊りも、リオのカーニバルをしのぐ規模だ。

 昔は殴り合いも絶えなかったというライバル心は、今も強い。ガランチードファンの主婦ロゼアニ・ノボさん(57)は赤い服ばかりのクローゼットを開き「敵のファンなら孫でもアマゾン川に放り込む」と言う。カプリチョーゾファンのフランシア・ダ・コンセイソンさん(85)の自宅は外壁から戸棚まで青色だ。30人の孫と45人のひ孫も全員が同チームのファン。「勝った負けたで毎年泣いたり笑ったりしてるのが長生きのひけつかね」

 祭りは3日間続く。衣装や踊りのできばえによって審査員が得点をつけ、最終日に勝敗が決する。現行の方式になってから、対戦成績は、ガランチードが28勝19敗1分けでリード。ノボさんは「W杯のブラジル代表の結果以上に大事だよ」と言って笑った。

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